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【持ち主】スザナ・カグヤ

【武 器】グランツ

「あら、ここ(戦場)にだって花はあるのよ。…華やかではないかもしれないけれど。
はじめまして。私の名はカグヤ。貴方はこの戦場には似つかわしくない程の輝きを放っているのね。
その異質なまでの強い力を私は求めているの。私は貴方が欲しいわ。
私が貴方に相応しいかどうか、試してみない?こうみえて力には自信があるのよ。」

「ほぅ…これは確かに見事な華だな。
さらりと流れる絹のような黒髪、意思の強さを思わせる紅玉の瞳、白珠の肌…君はとても美しい。俺としたことがこんな素敵なレディに声を掛けずにいたとはね、失礼した。俺の名はグランツ。何、こんな戦場にてなお美しく咲き誇る君ほどではないよ。
…参ったな、こうも熱烈なアプローチを受けるとは…。
”俺”は並の男でも扱いには苦労するのだけれど…自信があると言われてはね。
いいだろう、俺も王家の剣。自身を安売りする気はないけれど、君の熱意に免じて、”お試し”をさせて貰おうじゃないか?
君の力を、俺に示してくれ。
俺を扱うに足る力を示してくれたならば、俺は君の元に跪き、君へと忠誠を誓おう。」

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【持ち主】エミリア=リュティス=ヘイヴン

【武 器】Cruz Eterno

「初めまして……私はエミリアと申します、です。
私……あなたに、呼ばれたような気がして、きましたです。
そして……私もあなたの力を求めておりますです。私はか弱いけれど、身を守るものが必要なのです。
どうか……どうか。私をまもってくれませんか……?」

突然声をかけられ、ふらつく悪霊は動きを止めた。
「・・・・・・。」
じっと彼女の話を聞く。
それから彼女に歩み寄ると、そっと手を取り、自身である十字架を手渡した。
(ありがとう。錆びた今の姿では大した事はできないが、少しでも君の力になれるよう努めます。
 もし生き抜いた後に私を必要とするならば、一つだけ、君に願う事がある。
 私を磨いて欲しい。充分な力で君を護る事が出来るように。)
禍禍しい気配は去り、優しく微笑む男がそこにはいた。

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【持ち主】ジルベール=マリー・シュヴァリエ

【武 器】マーメイド=ガーディアン

跪きつつ「貴方の力を貸して下さらないか?私は軍人だ…先祖代々の城と、何より領民を守りたい。」

刀身を覆う紅に亀裂が入り、砂塵になった。
顕れたのは真珠色に燦めく刀身と…同色のドレスを纏ったその化身。

「お立ちください。貴方は私の主。跪くのは私の方。
捨てられたこの身が再び必要とされること、それが呪を解く鍵でした。
また貴方は領民を守りたいとおっしゃった――
おかげで思い出せた…先の持ち主は小さな島国の姫。
敵国の王子の寝首を掻くために嫁がされた。
でも当の王子に恋してしまい、果たせなかった。
そして自殺を図り…流れた血は王子の血ではなく姫の血だったんだ。
――私は護り刀、主を傷つけるために作られたのではない…!
どうぞ私を、貴方と貴方の領民を守るためにお役立てください」

まだ表情は硬かったが、跪いて新しい主を見上げる瞳は明るかった。

【持ち主】ルルナ(ロウナ)

【武 器】ラファール

「へぇ~、ダガーは俺の得意分野だぜ。

力量は使い手次第っていうのもグッっとくるねぇ~。
で、ガキ。いつまでもメソメソしてんじゃねぇよ。
この世に神なんていやしねぇーぞ。世界は残酷で不平等で依怙贔屓だからな!
それはスラムで育った俺が太鼓判を押してやらぁ。
でもな、他の奴からどう見えようが、それもそれなりの人生だ。
泣いて哀れんで、勝手に貶めるな。
どんなに辛くても自分から背を向けるな。
まっ、俺も泥水ん中でもがいてきたタチだから、偉そうに言う義理はねぇけどさ。
こんな俺でよければ、最後の瞬間まで大切にしてやるよ。
……俺と一緒に来るか?」

「っ!? はぁ!?べ、べつにメソメソなんてしてないし!
今ガキって言った!?あんただって見たところ、大人でもないくせに!
…神様がいるかどうかなんて知らないけど、いたって救ってくれないんじゃ、意味がないよ。
この世界がざんこくだなんて、別に、ぼくだってそんなの、知ってる…!
…何、あんたも、辛いことがあったの…?

最後の、しゅんかんまで…。
…ふん、ばかじゃないの、はじめて会ったのに、そんな約束しちゃってさ!
言っておくけど、ぼくをてあらにあつかって傷つけたり、まずいごはんだしたり……先にいなくなったり、トドメをさせだとか言ってきたら、ゆるさないんだからね、分かった!?
それを守るっていうんなら…まぁ…あんたに、ついていってあげても…いいよ。」

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【持ち主】アイ・パンニューキス

【武 器】シルヴァンの鋏

「いーよ、こわそ?
じゃっきんのすぱーんでばいばーいしよ?
おれねーおてつだい、する、ます!
ばーらばら、たのしーってなるね、うれしーね、うれしーね!
だから、ねー・・・・・・・・・・・・・・・キミといれば、おれはまともに戻れるだろうか?
分かっているんだ、こんな事はもうやめて、手を作ってもらって、なおして
師に誇れる自分に戻りたい、お客様の笑顔が見たい
でも、どうしても、嗚呼、おれの手が、髪みたいに、切られて
ごろって落ちたのを、思い出すだけで、嗚呼、おもいだし、たくない
たすけて、いっしょに、いてほしい」

「そんな凄惨な目にあってなお俺に一緒にいて欲しいと願うのか。
己の感情に飲まれ、挙句の果てには自身を見失ってしまっていたというこの俺に…?
傍にいるのはむしろ逆効果で、辛い過去を思い出し、ますます心が荒んでしまうかもしれないのに?
でもそれほどまでに職に誇りを持ち、そのために必要な鋏であるという訳、か。
辛いことも投げ出さず、それどころか向き合おうとしている貴方に俺は敬意を表すよ。

だから、俺が貴方の両の手の代わりになろう。
とはいってもやれることは限られているが。
少なくとも貴方について行くことはできると思う。
そうしてもし心穏やかな日々でいられたら、貴方は貴方のやりたいと思うことを少しずつやっていけばいい。
焦らずゆっくりと。

だから、今は少しでも休んでいて欲しい。
貴方が落ち着いたら俺も一緒に考えるから。
これからの事を。

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【持ち主】ユリシス

【武 器】ガーンディーヴァ

「外つ国の神の力を受け継ぐ御方。どうかお願いです、共に戦ってくださいませんか。
私、気付いたのです。願いを叶えたいなら、恐れずに、自ら声を上げねばならないのだって。
だけど己で立つと決めたばかりのこの足は、まだ生まれたての小鹿のよう。
戦場を知らない私には、教え導いてくれる味方が必要です。

あなたにも、胸に秘めた願いがおありなのでしょう?遠くを見つめる御方。
私はあなたの願いも叶えたい。
同じ道を歩むなら、一方のためだけでなく、互いのために助け合える仲間とゆきたいのです。
今の私では難しいかもしれません……。でもいつの日か、私があなたを欲したように、あなたにも私を頼みにしてもらえるような、そんな主になってみせます。
きっと、いえ、必ず!

だからどうか、その日まで見守ってくださいませんか?
こちらに来て、願いを叶えるための道を、私と共に歩んではくださいませんか」

 

「――私を、欲してくれると、いうのか」
その言葉をその存在をどれほど待ち焦がれただろう
「私の願いは、ただ一つ――主と共に在ること」
見るからに戦慣れなどしていないこの少女は、かの英雄と比ぶべくもない
けれど、真摯な言葉がひたむきな態度が強い意志の宿った双眸が、全てが私が必要だと伝えてくる
「あなたが私の主として傍に居ることを許してくれるならば…そうすれば、望むまま共に歩もう」
仲間ではなく、主として
「何故…――」
この少女の目に留ったのがで自分であったのか
「いや、いい」
問う必要などない
彼の目に留ったのも彼女だけだったのだから

「ガーンディーヴァ、あなたの命続く限り忠誠を誓いましょう
 主の願いを叶えるためならば助力は惜しみません」

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【持ち主】音桐  椿(おとぎり つばき)

【武 器】旭派 桜吹雪

「まぁ、可愛らしい方ですね。是非お話しをしたいです。っと、今はそれどころではありませんね。そのよろしければ、ここで出会ったのもご縁ですし共に戦わせてくれませんか。私なんか弱いですし力にもなりませんが一人でいるよりも二人でいた方が安心すると言いますしね。それにいざとなれば私も!っと、すみません。転んでしまいました。はは、鈍臭いですね。私は。
…この戦いが終わり、ひと段落がついたらあなたとまたお話しをしたいです。その時はどんな花が咲いているんでしょうかね。楽しみです。」

「可愛らしいなんて…そんな。そうですね、今はこの危機を脱するまでは…。私と、共に…?う、嬉しいです…!大丈夫です、主となって下さるのなら、私が貴女様の守り刀となります。ですから…この戦いが終わった後に、色んな話を聞かせて下さい。…私、話すより聞いてる方が得意なのです…。」
そして、ニッコリと微笑みかけた。

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【持ち主】ヴィナ

【武 器】ゲイボルグ

「あなたは元気でいっぱいね。憧れるな。
…あのね、私の一族の人たちは私よりももっと強くて凛々しい人たちばかりだったの。それなのに私はまだまだ弱くて未熟者で使命を果たせるほどの力がまだない。あるのは覚悟と勇気だけ。それでもね、私はこの受け継いできたものを続けようと思うの。それが私の存在意義だから。
だから、お願い。あなたに私の力になって欲しい。共に戦いたいの。
それとね、これは私のわがままかもしれないけどあなた…いやゲイボルグとはその…友達のような関係になりたいな。」

「あのね、ヴィナ。
覚悟と勇気"だけ"って言うけど! "だけ"じゃないよぅ?!
それは、とっても、すごいことだよ。
アタシ知ってるの。いっぱい力をつけたけど、誰にも負けない力を得たけど、
でも、心が強くあれなかった人、たくさん知ってる。心を強くするのって、大変なの。
でもヴィナは、それをもう持ってる。覚悟と勇気っていう、大事な心を、鍛えてる。
自信がなくても、不安でも、前に進もうって思ってる。

アタシは、そういうヒトが、大好き!
強くなろう、強くあろう、くじけたって、あきらめない!
そんなヒトが大好きだよ!

アタシの名はゲイボルグ。
いつかの時代の魔槍。いまは、メタルスミスのレプリカ。
海獣の牙から作られたアタシは、荒波をすすむ、あなたの力になってみせる!

あっ、もちろん、お友達も大歓迎!!
武術の稽古だってお付き合いしちゃう!
あ、もちろんもちろん、ふつーのお茶とか、お買い物とかもねッ!!」

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【持ち主】廻屋・永久(めぐりや とわ)

【武 器】開発No.362

おーっとそこのキミ!君だよきみキミ!ちょっとお時間宜しいかなレディー?
…いやね、クドさんうっかりしちゃってさ。戦闘能力もなければ防御力もない…いや、厳密に言うと後者の方が至極問題でね!もう一発喰らったらアウトかなって不安になってきてしまったんだよ……というのは建前で。
(後ろ手に取りだしたのは杖のような大きな鍵。どこかステッキのようなそれを片手に、彼女は続ける)
どうだいどうだい?私と一緒に一つ新しい廻りに出てみる気はないかね?
あーとっと、返事は急がない主義だよ。君の心音(こころね)は如何に答えてくれるかな?

ほあっ?!レディ-とはワタクシをおヨびで?!(キョロキョロ
…ほうほうナルホド、アナタのおハナシはナンとなくワかりました!それはココでイきヌくのはタイヘンですね…モトめられるならばどのようなおカタでも、ワタクシがこのミでマモってサしアげま……?!
(突如取り出された鍵にも杖にも見えるもの。平らな場所ですってんころりん、驚いた態度を壮大に示す)
アタらしいメグりにココロネですか…これはハツミミ!ワタクシのジショにはナいコトバたち!!
アア、どうかこのチイさなノウミソにもリカイできるように、ごキョウジュいただけますでしょうか!!

サすればさぁさぁ!そのアタらしいメグりとやらにデましょう!アイすべきアナタのスバラしいエガオとトモに!!

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【持ち主】時津風 科螺(ときつかぜ から)

【武 器】風爆軍刀『シュトゥルム・ヴォルフ』

「うぉ~~~~~~よろピクな~~~(頭の横で両指をピロピロ動かす真似をし返し)
なにアンタ、風が出んの?すげ~~~~やべぇ~~~、マジぱねぇんですけど、中身どうなってんのさ、それ
なぁなぁ、一寸だけ、ちょっとだけ中見せてくれねぇ?奥までいれないから、先っぽだけだから、なぁ(ドライバーを持ってじりじり迫り)
っと、おふざけしてる場合じゃ無かった!
あのさ、俺、この変な所から無事に帰ってやる事があんのね
兵隊さんになってる間に、ばっちり喧嘩両成敗してさ、戦争を止めさせて、戦う軍隊じゃなくて、大事な奴等を守れる軍隊にしてーんだ
そっちの方が正義っぽいだろ?
だから、協力してほしいんだよ、俺、いまドライバーしか持ってないし、戦う力を貸して欲しい
今こそ・・・秘めたる実力を見せる時だからな(無駄に格好つけてキラーン)」

僕の目の前に現れたのは、同じくらいの背格好の少年。 
僕のおバカな挨拶を律儀に返してくれるなんて、君とは仲良くなれそうだなぁ。 
あ、でもドライバー片手にジリジリ寄ってくるのやめて・・・実際コワイ! 
・・・とはいえ、そんな彼の身の上話を聞くうちに、僕はその内容に聞き入っていた。 
暴風を巻き起こし、敵を斬り裂く『風爆軍刀』という存在の僕が・・・ 
大切な物を守るための力になれるのかい?君の相棒として、その道を進めるのかい? 
今、僕の心には黄金の風が吹き渡る・・・緑色に重く澱んだ瞳が明るく見開かれる。 
よ ろ し い 、 な ら ば 共 に 戦 お う ! 

「兵装コードSTW-X001、試作型機甲刀・・・風爆軍刀『シュトゥルム・ヴォルフ』。 
 嵐を駆る狼は、これより我が主・時津風 科螺の忠犬となることを此処に誓います。 
 ・・・えへへ、これからもよろピクね。Meinen Eigentümer! 
 そしてもちろん、僕達は無敵のコンビだということを証明してみせようっ!」 

跪いた後に尻尾を振りながら、僕は新たなる主人と握手を交わした。 
ついでにアドリブのキメポーズは、しっかりシンクロさせてみた(ドヤァ) 

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