
TOUKENBUYUSAI
救出ペア-4-
No.31

Charles
ひしゃげた檻からは、怒りに満ちた鋭い眼光が覗く。
「あのこを呼んだのか」頭の中にはあの子の心配ばかりが渦巻いていた。

荊棘檻刃 Knospe
「どらごんさんは ここにいるの ……?
ここで おどれば いいの……?
どらごんさんが いないと おどれないわ ……
う ふぇ うえぇ―――ん……」

荊棘檻刃 Knospe
「どらごんさん おけがは ない ……?
どらごんさんが まっていると おもって ……
いっしょうけんめい おしろのなかを さがしたの ……
どらごんさんの ぶきなのに ……
ひとりに してしまって ……
(ごめんなさい)」

Charles
「クノスペ・・・!ああ、俺は平気だ。おまえ怪我は?
………いや、一人にしたのは…すまない。怖い思いをさせてしまった。」
涙の痕を拭うとしっかり抱きしめる。もう一人にするものか。
「ありがとう、クノスペ。さあ帰ろう。」
羽を広げ、彼女の開いてくれたカゴを飛び出す。

No.32

九埜 龍也
「ぁ・・・檻?ーー縁影!縁影!・・・はは、まいったな。」
昔はこの程度では取り乱さなかった。ここ最近友に頼りきりだったと気付き自嘲する。

縁影
「あらみたま まねく
おのがしょぎょうの おもみ
おもいしるが よい」

縁影
「 あんしんめされよ もう ひとりにあらず 」
友に近寄り、檻越しに頬を挟み込む。
これが、安堵という感情だろうか。
揺蕩うものでしか、無かったはずなのに。
そのぬくもりは、もう手放せない。

九埜 龍也
「嗚呼、縁影。」
安堵からため息が漏れる。
頬に触れた手に手を添えて、腕を伝い同じように頬を包む。
友はここにいるのだと噛み締めた途端にハニカミが零れた。
「まってた。」

No.33

ビクトル =ウォレン(ビクター)
「ふふ、まさかこの私が囚われてしまうとは。
まぁ、良いでしょう。私の美しくて優秀な助手君が助けにきてくれると思うのでその間はこの檻の中でくつろがせていただきますね。あ、あともしその助手君に危害を加えるならどうなるかわかるでしょう…?」
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ブラッドリリー
「嗚呼…不愉快…不愉快だわ…!
あなたたち、わたくしのマスターをどこにやったのかしら?…なんて、聞いても無駄ね。
死して尚生きているなんて何て憐れなんでしょう。
わたくしが美しい最期を迎えさせてあげるわ。
さぁ、”死の舞踏”を踊りましょう?」

ブラッドリリー
「ビクター!!」
(ああ…よかった怪我はしていないようね…)
「もう、全く情けないわね!わたくしのマスターなのだからそんな事では困るわ!
大体わたくしがどれだけ心配したと思っ……!!な、なんでもないわ!早く帰るわよ!」

ビクトル =ウォレン(ビクター)
「ふふ、助けに来てくれてありがとう、ブラッドリリー。貴方なら必ず来てくれると信じていましたよ。
(そんなことを言ってとても心配してくれてたんでしょう。あぁ、なんて可愛らしいんだ。)そうですね。美しい貴方に助けてもらえるなんて私は幸せ者だ。さぁ、帰りましょうか。少しこの城を見て回って、美しいものは盗んでいこうと思ったんですが…。
やめておきましょう。ふふ、今日は共にゆっくりと過ごしたいですしね。」
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No.34
