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【持ち主】錦乃 憶

【武 器】無銘

「あわわ、でぇじょうぶかぁ、いってぇどうしたんでぇあんた、しとさまが通る道でねぇからするってぇ~と…げふん、どうされましたか!
申し遅れました、あっし…違う、手前は錦乃 憶と申します
古美術品の修復を生業に、各地を旅しておりまして、っと、そんな場合じゃないですね
ここは危険なので、出来れば休める場所に移動させたいのですが、肩をお貸ししても大丈夫ですか?
手前共、物から人の扱いまでよく心得ております
半人前故、一から十まで一人で仕事した事は無いですが…それでも、悪い様には致しません
そちらの刀も、安全な場所で少しずつ修復すればまだ充分生きられます、その為に、いま少し、共に来てはくれませんか?
(剣だこや道具を扱うせいで皮膚の硬くなった手を差し出しながら、もう片方の指先に梅の花を生じさせ)」

「でぇじょうぶでぇじょうぶ、はは、大丈夫…だとは思うけどー
にしきのおく、殿…僕は、ただのしがない…あ、肩貸してくれるんだねー、ありがとう
うんうん、そうなんだ…悪い様にしないなんて言われちゃったら甘えたくなるなー
え?これ、直してくれるの?本当に?…すごいな
このまま壊れてもいいって思ってたけど、僕もまだ活きられるんだねー
(差し出された手にすっかり薄汚れた手を重ねながら、ふと鼻腔を擽る香りにつかの間何かを堪えるように息を詰め)」

「ああ、懐かしい」

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【持ち主】エリオット=ルチーフェロ

【武 器】サー・テュポーン

はじめまして、Mr.(ミスター)。
あの失礼ですが、その格好、貴方は執事でいらっしゃいますか。
…実は私はある家の当主の護身用のナイフだったのですが、
当主は私を用いて自らの命を絶ち、今や根無し草、
ただ当主の最期の願いを、未練を抱えてこの世を彷徨っているのです。
失礼なのは百も承知です、それでももしも、もしも許されるならば、
私の願いに「Yes.Sir」と答えていただけないでしょうか。
――どうか、私の執事になってください。

エリオットは姿勢を正し、膝を折った。
「Yes.Sir」
深々と首を垂れる。
「それはそれは、何とお労しい事でしょう。
 御覧の通り、私は執事です。
 ずっと命を懸けてお仕えすべき主人を探して、
 名家を転々として参りました。
 その若さで家を、喪失を、絶望を背負われた
 ご当主の高潔なる志は今も尚、
 貴方様に宿っていると分かります。
 どうぞ私をお使いください。
 どのような願いにも、Yes.Sirとお応えします。
 そしてこの命尽きるまで、
 お傍にあり続ける事をお約束申し上げます。」

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【持ち主】ディラスファーナ=オルクメトリー

【武 器】ジャルグアルタ

「なんと眩いお姿だろう。私もかつてはそのように、
 前を上を向き務めを果たしていたというのに…。
 どうかもう一度だけ私に国を王女をお護りする誉れを!
 騎士としてこの魂が満ちる事無くして、
 私は死んでも死にきれぬのです…。」

「私の姿が眩いと、貴方は仰るか?
 そんなことはない、騎士として私はまだまだ若輩、志はあれど力は足りぬ。
 ……貴方が力となってくれるのならば、とてもとても心強い。
 どうか私の模範と、力となって欲しい。
 今一度その力、私と国のためにふるってくれ!」

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【持ち主】片桐 香子

【武 器】グローブロッター

「こんにちはー!そこのお姉さんお困りのようだね!そんな時はこのグローブロッター君にお任せ。ほら、変な植物も消えたでしょ☆
さぁさぁ、お姉さんは困った顔よりも笑った顔の方が素敵だと思うから笑おうよ!アハハ、こういう時はね笑った方が良いんだよ☆
大丈夫、大丈夫!!迷っても何か楽しいことがあるかもしれないし、一緒に出口を目指して冒険しようっか!僕もね、ちょうど暇だったんだよね。だから僕も一緒に出口を探すよー!」

「こっこんにちはーーーー!??!?」
 唐突にかけられた声に素っ頓狂な声をあげる。
 あいさつはだいじだって先輩が言ってた。あたしは野球よくわかんないけどこういう基本的なところはきっちりやれてるって信じてる。
「ぐろーぶろったー君?」
 とオウム返しするころには、うねうねうごうごしていた植物も、もともとそんなものすらなかったのでは思うくらいにきれいさっぱり。
 いまいち状況が飲み込めないあたしの視界にいる彼の拳には……見覚えのある……グローブ!
「きっきみグローブなの? えっ笑った顔?! 出口目指して冒険?! ここから出られるの?! 出たい! 出ても……帰っても……先輩の答えは決まってるけど……。あっでも、でもさ、だからっていって野球部はやめるつもりはないんだ。あたしは野球のルールいまいち理解できないけど、でも、野球してる人を応援するのは好き! ……はっ、出会ったばっかの子になにを言ってるんだろう! んと、出口まで、連れてってください! ……よろしくね……?」

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【持ち主】百合園 廉

【武 器】牡丹・芍薬

「決めた。まずは、お前を俺のものにする。
普通の刀じゃないって事くらい分かってるさ。
だからこそ、気に入ったんだよ。俺はお前がいい。
そりゃ……時々、世話を掛けるかもしれないけど。
あぁ、早く暴れたいな。俺は百合園 廉。お前は?」

「へぇ、お兄さん見かけによらず熱烈なんだね?(くすくす)
 いいよ、上手く振るって見せて。楽しませてくれたら認めてあげる。
 オレは牡丹、(左手の刀を掲げ)こっちは芍薬。よろしくね。
 それじゃぁ……お手並み拝見、といこうか」

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【持ち主】クオール

【武 器】K&F 百式

おい、お前。まさに私の理想だ。
その大きさ。輝かしい光沢。切れ味は試してみないとわからないがおそらく問題ないだろう。
私はクオール。
お前の名も教えて欲しい。そして私の武器となってもらいたい
私は料理人だ。その切れ味の良さそうなナイフと鋭いフォークで
数多の料理を作ってみたいのだ。

「わぁ~お兄さん料理人なんだぁ~!(キラキラ)
 えっとぉ~K&F 百式……は、個体名じゃなくて製品名なんだけどねぇ~
 おれで料理作れるの?ナイフとフォークは、食事をするためだけのものだと思ってたけど……
 すごいなぁ、楽しそう~!
 おれなんかが役に立てるなら、よろしくお願いします(ぺこり)」

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【持ち主】S(エス)

【武 器】機械杖バーミリオン

貴方は謎を解き明かす者…。その稀なる才能と閃きのお手伝いを少しでもお手伝いしたいのです。
私は杖ですが銃にもなります、貴方の身を守ることもできますよ。
貴方は上層級の方達にも臆することなく切り込んでいけそうな気がします
私は、そういう方を求めていたのです。
どうです、いい話だとは思いませんか?助手が必要であれば是非私を指名していただきたいのです。

おや、きみは相当鋭いらしいね、ぼくの才覚を一目で見抜くなど、中々出来る事では無いだろう。
何よりその面構えが良い、助手くんに必要なのは優れた知能や恵まれた体格では無く、誰よりもぼくを信じて、何があってもついて来てくれる気概だ。
窮地を脱するには、気力あるのみだからね。
「隠された真実に、一条の光明を」
ぼくの信念に基づき、総ての声無き声を世に明かして見せよう。
きみには、それをしっかと見ていてほしい。

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【持ち主】時雨宮 蒼汰(しぐれみや そうた)

【武 器】ナイトメア

「やったー!!第一現地人(?)発見。
 あの…いきなり何言ってんだこいつ?って
 思うかもしれないけど、異世界から来ました(`・ω・´)
 どうしたら良いか分からないんだけど、どうしたら良いですかね?
 …!?そのアサルトライフル激カッコイイね!
 …あ、すみません。いつもの癖で…。」

「現地人…っていうかあたしは武器だけど…何か困ってるの?
…異世界から?ふーん…どうしたらっていっても戦闘は残念ながら終わっちゃったし。
え、あたしのよさがわかるの?あんたなかなかセンスがいいわね!
あたしの名前はナイトメア。悪夢のように強いアサルトライフルなの。
…わかったわ、ならあんたについていってあげる。今からあんたは私の主人だから。
とりあえず探せばまだ残党がいるかもしれないし、獲物を探しに行くのはどう?」

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【持ち主】霜置まどか

【武 器】御神刀  白柄菊子

目の前の相手を不思議そうにみつめる。ふんわりとした白い和毛に覆われた大きな耳、生糸のように艶やかな髪、そして小さな身体に不釣り合いなくらいに立派なもふもふの尻尾!!
「き…くちゃん?…きくちゃんっ! きくちゃんなのね!! 会いたかったわ。もう200年…ううん300年ぶりくらいかしら」
ぎゅっと抱きつき、ひとしきりもふり倒した後で落ち着きを取り戻すと、すっくと立ち上がり、凛とした声でこう言い放った。
「妾は退魔の巫女。この現世に跋扈せんとする悪しき者どもよ、行くならば妾を倒してから行くがよいっ!」

不意に目の前の景色が歪んだかと思うと、そこから一人の女性が現れた。
そしてしばらく呆然と見つめあった後―
覆いかぶさるように抱きついてきた彼女の口から、
どこか懐かしむように、自分の名を呼ぶ声が聞こえた。

菊子の覚えている限りでは、彼女との面識があった記憶はない。
ただ―
「はじめまして、おねえさん。
 ううん、始めましてのはずなのに、どこかで会った気がするの。
 いつかどこかの時代、はるか昔…貴方とよく似たにおいのする人に。
 傷つけるためじゃない、皆を護る為に力を貸して―まどかお姉ちゃん」

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【持ち主】ユカリ

【武 器】大鎌『デッドリーローズ』

「薔薇?……遺跡になぜ、薔薇が落ちているんだ。
(血溜まりのように散る真紅の塊を拾いながら追っていくと、大きな鎌を肩に担いだ少女がいた。
反射神経で銃を構えながらも、男は少女に向けて口を開く)
一応こうして銃口を向けてはいるが、たぶん私とお前は敵じゃない。
こちらに迷い込んでからなんとなく現状はわかっているつもりだ、つまり、お前が付喪神であることを。
かといって私はお前たちと戦いたいわけじゃなく……無論襲ってくるなら対抗するまでだが、私はただ、“幸せを得る手段”を探している。
……お前にはよくわからんかもしれんが、花はいつか散り落ちる。
しかし、咲くことと同意に“散ることもまた”花の役目であり、“それも幸せの一つ”なのかもしれないな。
(徐に銃を下ろし、目線を合わせるように少しかがんで、それはまるで少女の鎌に己の首を委ねるように)
私の名はユカリ……お前の名は?
私はお前の幸せを知りたいと思った、よかったら共に来て、それを聞かせてくれ」

「私、デッドリーローズ!
ううん、あなた、よくわからないけど変な人ね!
私に首をはねられてもいい、なんて格好する人今まで見たことないわ!

私の幸せはね、沢山人間を幸せにすること!
そのために、私を手に取った人に幸せになる方法を教えてあげて、誰と幸せになるか選んでもらうの!
おなじ武器には、私の愛のカタチ、教えてあげるの!良い事は皆に教えてあげた方がいいでしょ?

……でも今、私がこのまま鎌を動かしたら、ほんとにあなたが選んだ事になるのかしら?
ううん、ううん、武器の私にむずかしい事ばかりだわ!
人間のあなたなら、むずかしい事もいっぱい知ってるでしょ?よかったら、お話しして欲しいな!
(にっこり笑い、ユカリを傷つけぬよう鎌を降ろした)」

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【持ち主】マチルダ・ディアナ

【武 器】魔装鎧アインシュベルグ

「あなたを滅ぼすなんてもったいないわ。なんて立派な鎧と剣…あなたがなぜ付喪神になってしまったのか事情は分からないけれど、きっと凄く悲しいことがあったのね。
私は神に仕え、国のために力を振るう聖騎士マチルダ・ディアナ。時には刃で人を傷付けることもある…。
優しい心根のあなたは過去に囚われてしまったのね。ねえ、罪や懺悔は囚われるものではなく背負っていくものなのよ?歩くには重いでしょうから、あなたを過去ごと半分担がせてくれないかしら…(そっと手を差し伸べながら優しく微笑みかけ)」

先の戦いでほぼ全ての魔力を消耗し、
その役目を終えた彼は― 今再び、深い眠りにつこうとしていた
「私は自由、か…願わくばもう一度」
その時、耳に届いたのは彼を呼ぶ誰かの声。
彼女は―
「私はかつて魔剣として自らの国に刃を向け、多くの同胞を傷つけた。
その罪は、この生ある限り背負い続けることになるでしょう。
だがもし償う事ができるのであれば―
気高く、そして優しき乙女の騎士よ。
我が名はアインシュベルグ。
そしてその真の名は―輝きの剣、リヒトシュテイン。
我は誇り高き一振りの剣として、一人の騎士として―
そなたと共に生き、その未来を照らす光の刃となる事を、この名に誓おう」
彼は差し伸べられた言葉に応えるようにそっと微笑むと、
再びその手に光を掴むように…新たな主となる者の手を取った。

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【持ち主】ロズ・ロス

【武 器】旭派 セン

「困っているそこのアンタ!

 救世主であるこのアタシが来たから安心してええで!
 ってなんで丸腰なん?なんでやねん!!身を削ってまでボケ倒すなんて度胸あるやん!
 ハッ!そないなこと言うとる場合ちゃうやんな。

 どっせーい!(ハリセンをぶん回す」

「誰!?救世主!?マジか、助かった――!!
 ボケたくて丸腰なんじゃないの!赤ん坊の世話してたはずなのにいつの間にかここに――
 そうだ、早く帰んなきゃ今まで積み上げてきた俺の信用が地に落ちる……っ!(頭抱え)
 誰だかわからないけどこいつら倒せるんだな!?よし、悪いけど任せ――ってそれが武器!?
 見たことない武器だけど大丈夫!?安心して良いの!!?」

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