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成立ペア-3-

No.21

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【持ち主】カサブランカ・ド・ブラッド

花を眺める姿を見つけて

「君は何のために戦うの?特別な理由はあるのかい?」

初対面の男が唐突に質問したので、警戒されたかもしれない。
もしかしたら彼女の周囲にいた兵士たちの亡霊が、ざわざわと蠢いただろうか。
赤い瞳を一度そちら側に向け、それから遠くの敵対勢力を見晴かす。
––こちら側に来てしまったのは何故か。

「……花に、呼ばれたのかな。
それとも君の中の何かが、私の心と共鳴したんだろうか。
私は血を狩る魔物なのに、白いカサブランカと名付けられた身でね。
ある意味、一族の異端なのさ。
––魔物が、その花を護るために君と共闘したいと言ったら、おかしいかい?」

【武器】ドラポー・ドゥ・リス

掛けられた声に、亡霊達が口々に憎悪を吐きだす。
足りぬ。許すな。我らが怨讐。許さぬ。
踏みにじられた“彼女”の想いを。功績を。名誉を。命を。

牽制のために自身の本体である旗槍の穂先を相手へと向けながら、彼女は亡霊達を制する。

「…何のための戦い、ですか。
 私が戦うのは…憎悪。“彼ら”と同様、一心不乱に、それを晴らすため。
 …わかっています、子供じみた理由であると。大義なき戦いであると。
 …ですが、この身は戦わずにはいられない!私は、“私たち”は護りたかった!」

しかし、それは叶わなかった。吼えるような叫びに、穂先が震える。

「…この世界は、間もなく消えるでしょう。そんな世界で、何かを護ると言うのなら…“私たち”は貴方に手を貸しましょう」

そう言うとスッと穂先を退き、首を垂れて跪く。

「今この時より、貴方は“私たち”のmaître(メートル)。貴方を、そして貴方の護りたいものを…今度こそ護りましょう」

No.22

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諸事情により非公開

No.23

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【持ち主】リディアナ・ハイディ

「…愛か。ごめんなさい、今の私には分からないわ。まだ無邪気で幸せだった私だったら真剣に考えて熱心に語りながら貴方に伝えてたのでしょうね。……いえ、そんなことをいうのはもうやめましょう。私は過去の自分に囚われたく無い。今は今なの。一度は断とうとした命、これをどうするかは自由。だからね、偶然出会った違う境遇でもどこか少し私と似たような貴方の時間を動かしたいの。止まったままじゃ、いつまでも変われない…。
私も貴方となら過去の傷を忘れられるかもしれない。だから共に生きましょう…?」

【武器】ヴェノム・デッドリー

「いえ、この問いに私の満足する答えなど存在しないのでしょう。
そんな事はもうずっと前からわかっていたのです…。
わかっていながら現実を受け入れる事を拒み、無意味な問いを繰り返して
過去に囚われ続けることを望んだ…私はそんな臆病者なのです。

貴女の心にもなにか…とても大きな傷があるのですね。
それでも今は今だと、前を見ている貴女はとても強く気高い。
私にはできなかったこと…いえ、やらなかったことです。
……いい加減、私も変わらなければいけないのでしょうね。

私は弱さ故に数多くの罪を犯しました。壊されて然るべき存在です。
けれど、もし…もし貴女と共に生きることが赦されるのなら……
どうか私に貴女を守らせて下さい」

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